仕事で誰かに何か質問をした際、想定通りの回答が貰えなかった経験はありますか?
また、回答を貰えるまでに結構な時間がかかった経験はありますか?
これ、一見すると質問をした相手が悪いように思えるかもしれません。しかし、質問の仕方によってはこちらに非がある場合もあるのです。
今回は、私がPMOとして単身客先へ放り込まれた時の経験をもとに、「仮説思考×クローズドクエスチョン」と「質問力を高めることの重要性」について解説します。
※PMO(Project Management Office):PMの支援。また、プロジェクトのメンバー達が仕事をしやすい環境づくりをする役割のこと。
- 欲しい回答を引き出す上手な質問の仕方
- 質問の質がチームの生産性に及ぼす影響(実体験あり)
仮説思考×クローズドクエスチョンを心掛けよ(タイトル回収)

まず初めにタイトル回収をします。
欲しい回答を一発で得たい場合は、「相手が答えやすい質問の仕方」をしましょう!
その基本的な考え方がクローズドクエスチョンです。
つまり「はい」か「いいえ」のように、回答がクローズドに限定した質問をしましょう。ということです。
また、仮説や自分の考えも交えて質問ができるとベストです。
下記は当時の会話の一部抜粋になります。(仮説とクローズドクエスチョンの箇所)

フラン君、タスクAの進捗については〇〇まで進んでいる状況と認識しているけど、合ってる?

認識相違ございません。ただ、本タスクを進めるにあたり、△△の箇所で欲しい情報があるのですが、こちらはBB部宛てに問い合わせたらよろしいでしょうか?

そうだね。ちなみに、□□の部分ってCとDどっちを採用したほうが良いんだっけ?☆☆って観点だとDっぽいけど…

☆☆ならDなのですが…(中略)…という点でCと考えています。

なるほどね、OK。引き続きよろしくお願いしますー。
両者とも、自分の仮説を交えながらクローズドクエスチョンを意識し会話しているため、質問の回答がしやすく非常にスムーズです。無駄なく建設的に状況共有ができています。
ここで本記事の9割は完了しましたが、次のチャプターでは、逆にこの質問がチームとしてできていない場合は生産性がガタ落ちするという話を実体験とともに解説します。
質問の下手さがチームの生産性を著しく下げる

私はとある企業のプロジェクトで開発メンバーとして参画していました。(先述の会話はここでのお話です。)
数か月が経ち開発が落ち着いてきたある日、ありがたいことに客先の課長から別チームのPMOをやってほしいとお声がけいただきました。
どうやらPMとメンバーの雰囲気が良くない、と。今のプロジェクトは問題なく回っているから、2つのチームを見比べて、違和感があればそれとなく意見を欲しいとご要望をいただきました。
会話のドッジボールが生み出す問題点
早速、件のチームの各種会議へ参加しましたが、初日で違和感の正体が分かりました。
まず、該当の会話を紹介します。

タスクAについて、佐藤さん進捗いかがでしょうか。

…はい。タスクAについては…(中略)…という状況です。〇〇の部分についてはどうすれば良いですか?

…うーん、ちょっとこちらで調べますので、後ほど会話させてください。
先ほど、クローズドクエスチョンが大事だよー。というお話をしましたが、ここでは逆にオープンクエスチョンが主体となっています。
つまり、こちらは回答のフォーマットが定まっていない分、どう答えれば良いか考える時間が生まれているため、会話のテンポが遅くなってしまっています。
お互いに会話の主導権を投げ合っている、爆弾ゲームのような状態でしょうか。笑
さらに、この会話の場合だと、PMと佐藤さんが調査と会話の時間を追加で消費することになるわけですから、チームとしての生産性は低下します。
そのため、このチームへの参画を提案していただいた課長へ本件を報告し、チームメンバーへ伝えていただきました。一朝一夕で劇的に変わることは難しいですが、最終的には徐々に改善傾向というお話を伺って、本案件から離任しました。
自分の欲しい情報を一発で手に入れるためにも、チーム全体としての生産性を向上させるためにも、仮説思考×クローズドクエスチョンは日々意識して業務に取り組みたいですね。
2024年卒の会社員です。
新卒で日系のコンサルティングファームに入社し、2年目になります。領域はITですが、システム開発のメンバーとして参画することが多い一方で、開発とはまた畑が異なるPMO業務も経験があります。このブログではコンサルタントとして日々働く中で身に着けた、職種関係なく誰もが活用できる、給与の柱を伸ばすためのビジネススキルについて発信しています。


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