普段株式に関してはインデックスファンドのみを着実に積み立てていますが、安定したインカムを得られるという点とポートフォリオのリバランスが楽(する必要がない)という点で将来的にはETFの活用も考えています。
今は買わないにしろ、後のことを考えると知識はアップデートしておくべきなので、備忘録ということも兼ねて、2025年版の米国高配当ETFについてまとめます。
代表的な銘柄
今回挙げる銘柄は以下の4つです
- VYM
- HDV
- SPYD
- SCHD
それぞれ特徴や銘柄構成まとめていきます。
バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)
VYMはバンガード社が提供している高配当株約440銘柄で構成されているETFです。以下、セクター比率になります。

- 金融 : 23%
- 資本財 : 12%
- 情報技術 : 11%
- ヘルスケア : 11%
- 一般消費材 : 10%
- エネルギー : 9%
- 公益事業 : 7%
- 通信 : 4%
- 素材 : 2%
- その他 : 11%
米国の代表的な株価指数であるS&P500は情報技術セクターが3割以上を占めていますが、こういった業界は配当金よりも事業・株価の成長に重きを置いているケースが多いため、高配当株投資にはあまり向いていません。代わりに安定して収益を生み出せる金融や一般消費財などがかなりの割合を占めています。
iシェアーズ・コア米国高配当株ETF(HDV)
HDVはブラックロック社が提供している財務健全性が高く、かつ持続的に平均以上の配当を支払うことができると認められた利回り上位75銘柄で構成されているETFです。以下、セクター比率になります。

- エネルギー : 27%
- 生活必需品 : 26%
- ヘルスケア : 15%
- 公益事業 : 11%
- 情報技術 : 11%
- 金融 : 3%
- 一般消費財 : 3%
- 資本財 : 2%
- 素材 : 1%
- その他 : 1%
こちらはVYMに比べ、金融セクターの比率が少なく、エネルギーセクターの比率が多いことが特徴です。金融は景気敏感株ですから、VYMよりも株価の安定性は高いと言えます。
SPDRポートフォリオS&P500高配当株式ETF(SPYD)
SPYDはステートストリート社が提供しているS&P500採用銘柄のうち、配当利回りが高い上位80社に投資するETFです。以下、セクター比率になります。

- 不動産 : 23%
- 金融 : 18%
- 公益事業 : 17%
- 生活必需品 : 11%
- ヘルスケア : 8%
- エネルギー : 6%
- 素材 : 6%
- コミュニケーション・サービス : 4%
- 一般消費財 : 4%
- 資本財・サービス : 3%
SPYDはS&P500の中で見れば高配当銘柄が多いですが、業種を見てみると、主要なセクターが不動産、金融と景気敏感株の比率が多いため、VYMやHDVと比べ価格の変動は大きいと言えます。
シュワブ米国配当株式ETF(SCHD)
SCHDはチャールズ・シュワブ・インベスト・マネジメント社が提供している配当による収益だけでなく、中長期的な値上がりもめざしつつ、幅広い業種の米国高配当株式100銘柄に投資するETFです。以下、セクター比率になります。

- 金融 : 17%
- ヘルスケア : 16%
- 生活必需品 : 14%
- 資本財・サービス : 13%
- エネルギー : 13%
- 一般消費財・サービス : 10%
- 情報技術 : 9%
- コミュニケーション : 5%
- 素材 : 3%
景気に左右されやすい金融セクターが2割弱を占めていますが、ヘルスケアや生活必需品などの景気の影響を受けにくいセクターにもバランスよく分散されているので、株価の上昇も狙いつつ配当収入を得るというコンセプトに合っていそうですね。また、増配率が高いのもポイントです。
株価・配当利回り比較
ここまで4つのETFの特徴をまとめてきましたが、過去5年の株価チャートと直近の配当利回りを比較していきます。

上からオレンジがSCHD、青がVYM、赤がHDV、緑がSPYDです。本来であれば長期チャートを確認すべきですが、Bloombergのサイトの特性上、一気に4つのチャートを確認するには5年が限界でした。
もっと長期で確認したい方は、Googleの機能を使うことで2つのチャートの比較はできますので、興味のある方はやってみてください。

続いて配当利回りの比較ですが、上から緑がSPYD、オレンジがHDV、水色がSCHD、紺がVYMです。

過去5年の結果を見比べてみると、株価に関しては
SCHD > VYM > HDV > SPYD
続いて配当利回りに関しては
SPYD > HDV > SCHD > VYM
という結果になりました。おおよそ株価の伸びと配当利回りはトレードオフになっていますね。SPYDは株価の伸びが控えめな分配当を多く出し、VYMやSCHDは配当利回りが控えめな分株価をしっかり伸ばしていくという具合です。
どれを買えばよいか目的別に整理
直近のインカムを優先したい場合
こちらのケースではSPYD一択ですね。他の銘柄に比べ、株価の伸びはイマイチといったところですが、配当利回り自体が高いため、日々の生活を豊かにしていきたい方向けの銘柄と言えるでしょう。
長期的にインカムを伸ばしていきたい場合
こちらのケースではVYMやSCHDですね。配当利回りこそ低いものの、他2つの銘柄に比べ株価が伸びているため、長期的に見て配当金の額自体は成長していくと期待ができます。そのため、長期にわたって配当を着実に増やしていきたい方向けの銘柄と言えるでしょう。
とはいえ、中庸のHDVも運用開始からかなりの年数が経っており、優良銘柄であることに変わりはないです。
最後に
今回は代表的な米国高配当ETFの特徴や株価、配当利回りの推移に関してまとめた上で個人的な見解を述べました。これらはどれも優良銘柄なのでどれを買っても問題ないかと思いますが、セクター比率は各銘柄により特徴があるため、各自の目的に合わせて選べると良いですね。
米国高配当銘柄を選ぶ上で参考になれば幸いです。
今後も株式ファンドに関して、気になった銘柄があれば随時記事を作成していきたいと思います。

2024年卒の会社員です。
某理系大学の情報系学部から新卒で日系のITコンサルティングファームに入社し、2年目になります。
私には「20代で経済的自由を達成し、セミリタイアする」という目標があります。ブログ「新卒から始めるFIRE戦略」ではそんな私の思考や支出の抑え方、資産状況など、セミリタイアを達成する過程を発信しています。
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