仕事や人間関係など、ストレスが溜まるとつい衝動的にお金を使ってしまうことがあるのではないでしょうか。
あるいは気づいたらお金が消えていたり…
ストレス度合いと浪費には明確な比例関係があるので、今回はなぜストレスにより浪費をするようになるのか、また浪費を少しでも抑えたいときの思考法をご紹介します。
ストレスと消費行動の関連性
タイトルにある通り、ストレスと浪費は基本的には比例します。なぜでしょうか?
それは主に心理的、また脳の構造的な要因が影響しています。いくつか見ていきましょう。
ストレス解消としての消費行動
ストレスを感じると、脳は快楽や安心感を求めるようになります。そして快楽を得るための行動はいくつかありますが、そのうちの1つが買い物になります。なぜなら買い物をすることで一時的にドーパミンが分泌されるからです。買い物はただお金を出すだけで完結しますから、手軽に快楽を得るのにもってこいなわけです。
その他、簡単に快楽を得るための手段としてはお酒やたばこ、パチンコやスロットなどのギャンブルなどがありますね。
自己コントロール力の低下
強いストレスを感じると、脳の前頭前野の働きが低下し、理性が吹っ飛びます。その結果、もしも前述のストレス解消としての消費行動を理解していたとしても、短絡的な思考に陥ってしまいます。その結果、現在の幸福を追い求め、気づいたらお金を使っているという事態が発生するわけです。
習慣という恐ろしい罠
冒頭で一般的なストレス解消の方法をいくつか述べましたが、簡単に快楽を得てストレスを解消できる行動に共通することは何でしょうか?
買い物、お酒、たばこ、ギャンブル、…これらに共通することは必ず金銭が発生しているということです。それも少ない額です。一度や二度にかかる金額などたかが知れています。お酒に関して言うとほろ酔いで150円程度です。ただし、毎日たった150円を1年間続けると、150円×365日で5万円を超えます。
一度でもそれでストレスを解消できたという成功体験を得てしまうと「お酒=ストレス解消」となり、習慣となってしまいます。習慣というものは味方に付ければ心強いですが、敵に回す、あるいは無意識に悪循環に陥るような習慣はとても恐ろしいものでもあります。
浪費の本当に怖いところ=お金がなくなることではない
実のところ、「〇〇円浪費した」という事実はそれほど重要ではないと私は考えています。一番怖いことはドーパミンが分泌されることでストレスを解消できてしまうことです。
これは脳科学の観点で明らかになっていることですが、ドーパミンは報酬量によって得られるものではなく、予測と実際の報酬量の差によって得られるものなんです。つまり毎回ストレス解消のために買い物をするとしても、毎回5000円の買い物をしていたら、買い物による報酬が予測できてしまいますから、ドーパミンが分泌される量は回数を追うごとに減少します。その結果何が起こるかというと、ドーパミンを分泌させるために、6000円、7000円と毎回の消費額を大きくしていきます。
先ほど、お酒による年間の消費額を例に出しましたが、それを何年・何十年と続けたとき、同じ量で満足できますか?というお話です。アルコール依存症がまさにその一例ですね。さらに、1つのストレス解消法にのめり込んだ結果、恐ろしい習慣化も相まって悪循環のループができるわけです。これがお金の消費以上に怖い部分なのです。
浪費を減らすための思考法
ここまでストレスと浪費の関連性と怖い部分についてつらつらと述べましたが、ここからはそんな浪費を減らすための思考法についてご紹介します。
ストレスの原因を減らす(できれば無くす)
ストレスと消費行動の関連性でお話した内容はすべて何かしらストレスを抱えていることが前提となっています。そのため、手っ取り早い方法の1つとしてストレスの原因となるものを取り除くことが挙げられます。
そもそもストレスの根本は何なのでしょうか?まずはここを理解する必要がありますね。
もし根本の原因が人間関係であれば解決方法は単純です。自分にとって有害な人と関わるのを避けることですね。しかし、学生の場合は関わる人を選べることが多いにしても、仕事の場合はどうしても嫌な人と話さないといけない場面があると思います。同じプロジェクトのメンバーなどがわかりやすい例ですね。私はこれまでの23年間で嫌な人、あるいは変わった人が同じチームにいてもうまく立ち回ることができていたのですが、ストレスを極限まで下げつつ有害な人とうまく付き合っていく思考法についてはまた別の機会に紹介します。
話が少し脱線しましたが、ストレスの根本が仕事内容そのものであるならば、人によって答えは変わってきます。要は収入とストレスのバランスの問題ですね。いくらからが高収入で、どのあたりからがストレスとなるのかに関しては人により千差万別です。特にやりたい仕事というものがない場合は高収入&低ストレスで働ける環境が理想ですが、そのような仕事をどう探せばいいかはすみません、私が知りたいです。
とはいえ、ストレスの原因がわかっているならば、そのような環境を変えるアクションを起こす必要はありそうです。
ドーパミンに頼らないストレスの解消法を探る(消費行動によるストレス解消を止める)
お金を消費するストレス解消法にはほぼ確実にドーパミンの分泌がかかわっていますが、実はストレスを取り除くためには必ずしもドーパミンが必要なわけではありません。例えばセロトニン、オキシトシン、エンドルフィンといった他のホルモンもストレスの解消に大いに寄与します。
セロトニン・・・心の安定をもたらすホルモン。日光浴や運動、瞑想などで増える
オキシトシン・・・愛情ホルモン。スキンシップや人との会話、ペットと触れ合うことなどで増える
エンドルフィン・・・リラックス効果をもたらすホルモン。笑ったり、音楽を聴くことなどで増える
以上3つはドーパミンを使ったストレス解消に比べ、お金が一切かかりません。お金をかけるストレスの解消法が悪いとは思いませんが、「あ~あ、また余計なことにお金使っちゃったな…」と罪悪感に苛まれている方はこれらを実践してみてください。
ちなみに私は健康維持という観点でも運動や日光浴を頻繁に行っています。一般的には激務、高ストレスといわれているコンサルティング業界に従事していますが、今のところは出費への意識はブレず、高い貯蓄率をキープできています。
最後に
今回はストレスと浪費の関連性、及び浪費の減らし方についてお話しましたが、「浪費を減らす」と述べている通り、私は浪費が悪だとは思っていません。浪費はストレスの解消だけでなく、人生を豊かにしてくれる側面もあります。それに、お金を一生貯め続けて終わりを迎える人生はもったいないですからね。
しかし、お金を多く使えばより幸せかというとそれもまた違うと思います。特に、FIREを目指している方、またはある程度の貯蓄を作って経済的に豊かになりたい方は、心地よいラインを見つけて継続的に蓄財していく必要がありますね。
心のゆとりは財布のゆとりです。
これからも引き続き、支出を無理なく抑える方法について発信していくので、ぜひ参考にしてみてください。

2024年卒の会社員です。
某理系大学の情報系学部から新卒で日系のITコンサルティングファームに入社し、2年目になります。
私には「20代で経済的自由を達成し、セミリタイアする」という目標があります。ブログ「新卒から始めるFIRE戦略」ではそんな私の思考や支出の抑え方、資産状況など、セミリタイアを達成する過程を発信しています。
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